厳しい夏を乗り切るために!涼しい家づくりのポイントを紹介
日本の夏の暑さは、年々厳しいものとなっています。そのため、夏でも涼しい注文住宅の需要が増えているのです。涼しい家づくりのためには、どんなことに気をつけるべきなのでしょうか?今回は、涼しい注文住宅を実現するために必要なポイントについて詳しく解説します。涼しい家づくりで、健康と快適性を保てる注文住宅を実現しましょう。
涼しい家づくりに必須の「高気密」と「高断熱」
高気密・高断熱の家を建てることは夏を涼しく過ごせる家を実現するために不可欠です。一般的には高気密・高断熱が冬の寒さに対処するためのものと思われがちですが、実際には夏の暑さ対策にも大きな効果があります。高気密・高断熱がもたらす、夏の暑さ対策に有益なポイントを見ていきましょう。
室温を外に逃がさない
高気密・高断熱の家がもつ大きな特徴は室温を外に逃がさないという点です。暖かい空気だけでなく、涼しい空気も室内に保持することができます。これにより、エアコンで冷やされた空気を閉じ込めることができ、快適な夏を過ごすことができるのです。
さらに、パッシブデザイン設計を組み合わせることで、太陽光をさえぎる工夫を行い、室温上昇を防ぎ、より涼しい環境を維持することができます。
高気密・高断熱に明確な基準はない
ただし高気密・高断熱といっても、明確な基準はありません。各住宅メーカーが独自の基準を設けており、そのためには検査も複数回行われます。これから注文住宅を建てる際には、このような数値基準や検査に注意を払うことが重要です。
実際に住んでみると高気密・高断熱とうたっている住宅が、期待した効果を発揮しない場合もあります。高気密・高断熱の基準はあいまいなため、きちんとした根拠がない状態でそれらの宣伝文句をうたう業者も残念ながら存在するのが実情です。
自然素材を活用した家づくりもポイント
夏の涼しい家を実現するには、温度だけでなく湿度にも着目する必要があります。湿度を適切に管理するためには、自然素材を活用した家づくりが重要です。とくに、内壁や床材の素材選びは、快適な湿度調節において重要になります。
自然素材を活用した内壁
まず、涼しい家づくりに有効なものとしてあげられるのは、調湿効果に優れた自然素材を使用した内壁です。自然素材を使用した内壁は、人工化学物質を使用していないため、室内の空気環境を悪化させることなく常に新鮮な空気を保ちます。
また、一度貼れば基本的には張替えが不要であり、再塗装も7〜8回程度可能なので、経済的です。総じて、自然素材を活用した内壁は、経済的かつ快適なものだといえるでしょう。
無垢材フローリングも湿度調整に有効
さらに、湿度調整のためには無垢材フローリングも有効です。無垢材フローリングは、合板フローリングと比べて調湿機能が約8倍もあり、長期間使えます。
また、その柔らかい感触は足に優しく、子どもが安心して遊べるのです。これらの自然素材を使用することで、住宅内の湿度が適切にコントロールされ、ムシムシしたりじめじめしたりすることなく、快適な夏を過ごすことができることでしょう。
パッシブデザインを採用するのも有効
最後に、涼しい家づくりの取り組みとして有効な、パッシブデザインについて解説します。
パッシブデザインとは
パッシブデザイン設計という言葉に初めて触れる人もいれば、名前だけ聞いたことがあるという人もいるかもしれません。この手法は「受動的な」という意味の「パッシブ」を冠し、自然エネルギー(太陽光、風、熱など)を最大限に活用し、エネルギー効率を高めつつ快適な生活空間を創り出す設計思想を指します。
パッシブデザインは、ドイツなどの環境先進国で生まれた設計手法で、機械的な設備に頼らずに快適な室内環境を実現します。また、パッシブデザインは持続可能な社会の実現(SDGs)に貢献できるとされ、世界中から注目を集めているのも重要なポイントです。
涼しく過ごすためには日射遮蔽が重要
パッシブデザインによって夏を涼しく過ごせる家を目指すには、日射遮蔽を重視しましょう。夏の暑さは外部からの日射によって引き起こされることが多く、高性能な窓ガラスや室内ブラインドで日射熱を遮断することは可能ですが、それだけでは不充分です。外部で熱をさえぎる工夫も重要になります。
屋外ブラインドも暑さ対策として有効
ドイツでは、より効果的な日射遮蔽策として、屋外ブラインドが主流となっています。外付けブラインドを取り付けることで、窓の外で日射エネルギーを遮断可能です。
さらに、軒やひさしの設計を工夫することで夏の日射はさえぎり、冬の日射は取り入れるという、自然と調和した住宅設計を実現できます。
まとめ
夏の暑さが年々厳しくなる中、涼しい家づくりが注目されています。高気密・高断熱の家を建てることは、夏を涼しく過ごすために不可欠です。室温を外に逃がさない設計は、エアコンなどの機械的な設備に頼らずに快適な室内環境を維持します。
さらに、自然素材を活用した内壁や床材は、湿度調節に効果的です。パッシブデザイン設計も重要で、とくに日射遮蔽が注目されています。屋外ブラインドなどの設計工夫により、夏の暑さを外に遮断し、自然と調和した住宅環境を実現できるのです。
涼しい家づくりは、健康と快適性を保つために欠かせないポイントです。本記事で紹介した要素をこれから建てる注文住宅に取り入れることで、快適な生活を手に入れてはいかがでしょうか。