注文住宅購入費用の内訳は、知っておくことで、よりかしこく家づくりができます。また、注文住宅を建てる際にかけることのできる予算は各家庭の経済状況によって異なるため、予算ごとにどのような住宅をつくることができるのか把握しておくのが賢明です。そのため今回は、注文住宅購入費用の内訳や価格帯ごとの特徴を解説します。

注文住宅購入費用の内訳

まずは、注文住宅を建てる際の費用内訳について詳しく見ていきましょう。

土地の購入費用

最初に考えるべき費用は土地の購入費用です。一戸建てを建てる際に最も大きな割合を占めることが多く、とくに都心部では高額な傾向があります。土地をすでに所有している場合はこの費用は不要ですが、地盤の弱さや整備の必要性によっては土地改良費用が別途かかることもあるので注意しましょう。

建築費用

次に建築費用が挙げられます。これは一戸建ての本体を建てるために必要な費用で、基礎工事から外装、内装仕上げ、住宅機器設備工事など、完成に必要な工程すべてが含まれます。

建築費用は依頼先によって異なり、一般的には大手ハウスメーカー、中小建築会社、地域の工務店の順に費用が抑えられる傾向があります。

また、人気のある建築設計事務所に依頼する場合は費用が高めになることがあるため、留意しておきましょう。

諸手続き費用

さらに諸手続き費用も考慮しなければなりません。土地や建物の所有権を明確にするためにおこなわれる不動産登記手続きには、登録免許税や司法書士報酬、そのほかの実費（交通費や登記事項証明書取得費用など）が必要です。

土地の所有者である場合は建物のみの分が必要ですが、新たに土地を購入する場合は土地の登記費用も含まれます。

価格帯ごとに見る注文住宅の特徴

次に、価格帯ごとに建てられる注文住宅の特徴を見ていきましょう。

1,000万台

1,000万円台の建築費予算での注文住宅については、予算の制約のもとでのシンプルな設計や素材選びが重要です。通常、この予算では床延べ面積が90～110平方メートル程度となり、外壁や屋根のデザインは簡素化される傾向です。

片流れ屋根や外装にレンガなどの高価な素材は避け、設備も機能のみを重視し、最低限のものを採用します。工期も一般的な注文住宅よりも短くなり、街の工務店やローコスト住宅を提供する会社が選ばれることが想定されます。

2,000万円台

2,000万円台の建築費予算では、予算の上積みにより家のグレードを上げる余地が生まれます。床延べ面積が110～120平方メートル程度に拡大し、外装にはタイルなどの装飾的な素材が使われ、キッチンやバスルームには最新式の設備が導入できます。

また、バルコニーや窓の数を増やしたり、一部の建材や部材にはこだわりのある素材を使用できます。希望に応じて多少の妥協は必要ですが、街の工務店や中小企業の建築会社が発注先として考えられるでしょう。

3,000万円台

3,000万円台の建築費予算では、より自由度の高い設計や素材選びが可能となります。床延べ面積は120～130平方メートル程度となり、土地の形状に合わせた柔軟な設計ができます。

外構や内装にもこだわりがもてるようになり、高品質な素材や設備の導入が可能です。このような予算では、大手ハウスメーカーの高品質な注文住宅も選択肢に入ります。

優先要素ごとにみる理想の注文住宅づくりのポイント

建築費にかけられる予算によって、注文住宅のクオリティは大きく異なります。予算が豊富であれば、希望通りの仕様を実現可能ですが、現実的には予算は限られます。そのため、予算配分がポイントとなるのです。

立地にこだわりたい場合

立地にこだわりたい場合、最寄駅や交通アクセスを重視する方は土地購入に予算を多く割り当てる傾向があります。そのため、建築費用は1,000万円から2,000万円程度で考えるとよいでしょう。

内外装を重視する場合

内外装の希望を重視する場合、自分の理想の一戸建てを手に入れたい方は、建築費用に3,000万円以上の予算を確保する必要があります。立地に多少の妥協ができるなら、建物に重点を置いて予算を割り当てましょう。

予算を安く抑えたい場合

とにかく安く抑えたい場合、低予算で建てることを希望する方は1,000万円台の予算での検討が適切です。その場合、建売住宅や中古住宅も検討対象に入れることで選択肢が広がるでしょう。

予算編成は優先する要素によって異なる

建築予算の編成は、優先する要素によって異なります。立地が重要であれば土地購入費用を、建物が重要であれば建築費用を重視しましょう。このように、予算の割り当てを適切におこなうことで、理想の注文住宅に近づけます。

まとめ

注文住宅を購入する際には、費用の内訳を理解し、予算を適切に配分することが重要です。土地の購入費用、建築費用、そして諸手続き費用を把握することで、予算管理がしやすくなります。価格帯ごとに見ると、1,000万円台ではシンプルな設計や素材選びが求められ、2,000万円台では少しぜいたくな仕様を実現できます。そして、3,000万円台では自由度の高い設計や高品質な素材が選べることでしょう。

優先する要素によって予算編成が異なるため、立地重視なら土地購入費用、内外装重視なら建築費用に重点を置くとよいでしょう。予算を最大限に活用し、理想の注文住宅を手に入れるために、適切な予算配分が不可欠です。

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